極端にタンパク質が不足した食事

ダイエット中の女性に多いタンパク質不足。たとえ体重が落ちても、タンパク質が不足していると、肌が荒れたり、髪が傷んだり、ますます痩せにくい体になったりします。

タンパク質不足の何が危険なのか、どんな症状が出るのかといった、私達の体とタンパク質の密接な関係について見ていきましょう。

これを読んだら、単純なカロリー制限ダイエットがどんなに美を遠ざけるのかがわかりますよ。

タンパク質の役割とは?

卵かけご飯

タンパク質は炭水化物・脂質とともに三大栄養素のひとつで、人間の体にとってなくてはならないものです。体を動かす・守る・維持する・栄養を運ぶといったタンパク質の働きは、生命の維持に欠かすことができません。

タンパク質は、髪の毛や内蔵・筋肉など私たちの体のさまざまな部分を作る材料です。
さらに体液や血液などもタンパク質を含んでいます。

タンパク質はアミノ酸で構成されていますが、中には体内で合成することができないものもあるため、食事から摂取する必要があります。

このように、タンパク質の摂取は非常に重要な役割を持つのです。

タンパク質不足で起きる症状

肌荒れが気になる女性

タンパク質が不足することで起きる、代表的な症状について見ていきましょう。

筋肉量の低下⇒太りやすくなる

タンパク質は筋肉を作り出す材料であり、タンパク質の摂取量が少ないと、筋力の低下を招きます。さらに、体はエネルギー不足になると筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとします。

するとどんどん筋肉量が減り基礎代謝量が落ちて、痩せにくい体になっていきます

ダイエット中の女性がカロリー制限にばかり気を取られ、タンパク質不足になった結果、リバウンドして痩せにくくなるのは非常に多いケースです。

極端なカロリー制限でダイエットするのは非常に危険です。女性の場合は筋力の低下が冷え性にもつながり、体調不良のきっかけともなるので注意が必要です。

こちらも参考に⇒効果的なタンパク質ダイエットの方法

肌の老化や肌トラブルを招く

タンパク質は肌や髪の元になっているもので、皮膚を再生するための大切な材料です。

材料となるタンパク質が不足すると、真皮の90%を占め、肌に弾力やハリをあたえるコラーゲンも不足する為、しわやシミ、たるみの原因となります。
(コラーゲンの材料はタンパク質、鉄、ビタミンCです。⇒鉄の美容効果について

また、タンパク質は肌の表面を保護する皮脂膜の材料にもなりますので、タンパク質が不足すると皮膚の保護能力が低下し、肌の乾燥やニキビ、吹き出物などのトラブルを引き起こしやすくなります。

さらにタンパク質は細胞にコラーゲンの材料になる鉄分などのミネラルやビタミンを運び、吸収を助ける重要な役割も担っています。肌細胞に十分な栄養が届かなければ、美肌を作ることはできません。

髪の傷み、薄毛が進行

髪の毛を構成するタンパク質(ケラチン)が不足すると、枝毛や切れ毛、果ては薄毛の原因ともなります。

タンパク質の摂取量が少ない場合、筋肉や臓器など生死に関わる部分に優先的に使われ、髪の毛や爪などは後回しにされます。そのため早い段階で髪の毛のハリやコシがなくなり、毛根が弱くなって抜け毛が増えたり、薄毛になったりする場合も。

管理人の夫はアラフォーの頃にタンパク質を極端に制限したダイエットをした結果、美容院で驚かれる程、薄毛が進行してしまった苦い過去を持っています・・・。

タンパク質不足による薄毛は男女問わず注意が必要でしょう。

やる気や集中力の低下

タンパク質は意欲に関係するドーパミン、リラックス、心の安定に関係するセロトニンやGABA、睡眠の質高めるメラトニン、といった神経伝達物質の材料にもなっています。

これらの脳内ホルモンといわれる物質はタンパク質がアミノ酸に分解され、ビタミンやミネラルの働きで合成されるのです。

従ってタンパク質が不足すると、これらの物質が脳内でうまく作られなくなり、疲れているわけではないのにぼーっとする、やる気がでない、集中力がなくなる、眠れない等の症状が出ます。

体力が落ちる

前述の通り、タンパク質不足で筋肉が作れなくなることで、たとえ運動をしてもなかなか体力がつきません。さらに、普段から何だか疲れやすくだるい、思ったように力が出ないといった症状も出てきます。

骨がもろくなる

骨はカルシウムとコラーゲンで構成されており、骨を鉄筋コンクリートに例えるとコラーゲンが鉄筋で、カルシウムがセメントにあたります。

つまり、鉄筋の材料になるタンパク質が足りなければ、セメントとなるカルシウムがいくらあっても、丈夫な骨はつくれないのです。

病気にかかりやすい

タンパク質は免疫機能を調整しているため、風邪や感染症にかかりやすいという人はタンパク質の不足が原因かもしれません。

貧血を引き起こす

タンパク質は、血液中のヘモグロビンの材料になります。鉄分同様、タンパク質が不足することで、ヘモグロビンが合成できなくなり、貧血を引き起こします。

甘いものがほしくなる

タンパク質は血糖値を安定させる働きもします。血糖値が不安定になると、体は無意識に血糖をあげようとするため、無性に甘いものがほしくなることがあるのです。

満腹感が得られない

タンパク質は、食欲を正常に保つレプチンというホルモンの分泌に関わっており、不足すると食欲の感覚が狂ってしまう場合も。

また、タンパク質が少ない食事では体に必要な栄養がまかなえず、お腹はいっぱいになっても満腹感が得られません。その結果、体は脂質や糖質で補おうとするため肥満につながることもあるのです。

胃もたれする

タンパク質は食べた物を消化する胃液などの消化液の材料にもなります。胃もたれしたり、消化吸収に時間がかかる肉や魚を食べられないのは、タンパク質不足によって消化液も不足しているせいかもしれません。

タンパク質不足を補うための上手な摂り方

鰹節をたっぷりかけた冷奴で動物性と植物性のタンパク質を同時に摂取!

このように、タンパク質不足はさまざまな症状の原因になります。それでは、タンパク質不足を補うための摂り方について見ていきましょう。

タンパク質の摂取目安量

厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015」の中のタンパク質の食事摂取基準によると、1日の推定平均必要量は18歳以上の女性の場合で40g、推奨量は50gとなっているため、これを目安にしましょう。

ただし、成長期の子どもや妊娠・授乳中の女性、スポーツ選手などは必要量がさらに多めです。

一般的に、体重別目安としては、体重1㎏あたり1~1.5gとされていますので、体重50㎏の人は50~75gのタンパク質が必要です。

鶏卵1個あたりのタンパク質摂取量はおよそ6.5gですので、かなりのタンパク質が必要なことが分かりますね。

動物性と植物性のタンパク質をバランスよく摂る

タンパク質は肉や魚、卵、乳製品などの動物性のものと、豆腐や納豆などの植物性のものに分けられます。

含まれるアミノ酸の種類が異なるため、どちらかだけを摂るのがいいというのではなく、同じぐらいの割合でバランスよく摂るのが理想的だともいわれています。

ただし、プロテインスコアのいい肉や魚などの動物性の方が効率的にタンパク質を摂ることができます。また動物性タンパク質に含まれる硫黄は肌を保湿するコンドロイチンの材料となったり、肝臓の解毒作用を高める働きがあるので、動物性の方を多めにを意識した方がいいかもしれません。

また、「納豆+卵」「冷奴+カツオ節」など、植物性にプロテインスコアの高い動物性タンパク質をプラスすることで、バランスよく、効率的にタンパク質を摂取することができますので、献立を少し工夫してみてはいかがでしょう。

3食規則正しい食事でタンパク質を補給

偏った食生活や行き過ぎたダイエットは、タンパク質不足を招く原因にもなりますが、1日必要なたんぱく質をきちんと取ろうと思うとかなり大変です。

例えば、肉100gを加熱調理&消化吸収した後のタンパク質の量は10~8g程度に減少します。

前述したように「体重50㎏の人が最低50gのタンパク質が必要」だとすると、1日500g以上(1食あたり約170g)のお肉を食べなければいけない計算になります。

大食いの方ならともかく、普通の女性なら少し頑張らないといけない量です。
ちなみに理想とされる摂取量20gを1食で摂るには、肉70g(7g)+卵1個(6.5g)+納豆1パック(約6.5g)程度の量が必要です。

また、タンパク質は一度に大量に摂ってもうまく吸収されません(取り過ぎたアミノ酸は尿となって排泄されます)。毎食20g程度をこまめに摂ったほうが効率的ですので、まずは3食しっかりと食事を摂るようにしましょう。

サプリメントを利用する

小食で1日の摂取量を摂る自信のない方やカロリー、中性脂肪などが気になる方はタンパク質のサプリメントであるプロテインやBCAA(必須アミノ酸)を利用してもいいでしょう。

プロテインを購入するは、添加物が加えられていないプロテイン含有量が高いもの(80~90%)を選ぶようにしましょう。そしてプロテインは食後血糖値の上昇や食べ過ぎを防ぐためにも食前に摂ることをおすすめします。

タンパク質が豊富な食べ物

タンパク質が豊富な食材について見ていきましょう。

卵はすべての必須アミノ酸をまんべんなくとれるプロテインスコア100の優秀な食品です。調理方法も多様であり、毎食卵をプラスするだけで簡単にタンパク質の摂取量を増やすことができます。

赤身の肉・ささみ・魚

低カロリーかつ良質なタンパク質がとれるのは、赤身の肉や鶏ささみなどです。また、魚はオメガ3脂肪酸が豊富でダイエット向きであり、小魚を選べばカルシウムも摂取できておすすめです。

豆類

豆腐や納豆、きな粉といった豆類は、植物性タンパク質が豊富な食品です。ほかにもゴマやカシューナッツ、アーモンドなどの木の実にも豊富に含まれています。

タンパク質の過剰摂取による弊害は?

タンパク質を取り過ぎるとどうなる?

健康維持に必須なタンパク質はダイエットなどにより不足するケースが多いのですが、過剰摂取にも注意が必要です。

タンパク質の1日の摂取量は体重1kgあたり2gまでにして、運動もせずにプロテインを過剰に飲むといったことは止めたほうがいいでしょう。

肝臓・腎臓への負担

体内で余ったタンパク質は窒素に分解され、アンモニアに変化します。アンモニアは肝臓で代謝されて尿素となり、腎臓で尿となって排出されます。

つまりタンパク質を過剰に摂取することは肝臓と腎臓に負担をかけることになるのです。

尿路結石のリスク

動物性タンパク質は体内にシュウ酸や尿酸を増加させます。シュウ酸は腸内でカルシウムと結びついて便として排泄されますが、余ったシュウ酸は尿となって排泄されます。

この時、尿のカルシウムとシュウ酸が結びつくと結石となり排泄されにくくなる為、尿管結石の原因になることがあります。

腸内フローラの乱れ

動物性タンパク質を取り過ぎると、吸収されずに余ったタンパク質は腸内で悪玉菌のエサとなり、腸内フローラ(細菌構成)のバランスを悪化させます。

悪玉菌優性の腸内環境では腸のぜん動運動が弱まって便秘になりやすく、おならが多くなったり、肌荒れに悩まされることにもなりかねません。

特に元々便秘気味の方は過剰摂取には気をつけ、肉を食べるときはより以上に野菜を摂ることを意識しましょう。

<まとめ>

タンパク質は美肌をつくるだけでなく、体や心の健康のためにも大切です。過不足ない量を、動物性と植物性でバランスよく摂り続けなければいけません。

美容に敏感な人は、低カロリー高タンパクな食材をしっかり頭に入れて選び、調理方法も工夫しています。健康的に痩せたければタンパク質不足は絶対にNG。美しい肌や髪の為にも、良質なタンパク質を欠かさない食生活を心がけていきましょう。