更年期なったら体脂肪もコレステロールも急に増えた・・・。

更年期に突入する45歳を過ぎ、体脂肪もLDL(悪玉)コレステロール値も急上昇、そんな女性が増えてきます。

特に生活は変えていないのになぜ?・・・カギは女性ホルモンにありました。

この記事では女性の悪玉コレステロールが上昇する原因と、上がってしまったコレステロール値を無理なく下げる具体的な方法を探っていきます。

コレステロールとは?

卵の黄身

コレステロールは悪者、と思う人も多いようですが、実は私達が生きていく上で欠かせない大切なものでもあります。

コレステロールの働き

コレステロールは脂質の一種で、脂質の消化やホルモンの生成、体の組織や生命の維持に必要な物質の原料になる等の大切な役目を果たしています。

また、細胞の表面を覆う細胞膜の材料でもあるので、コレステロールが減ると血管が脆くなり、それに伴い免疫力が低下することで感染症やガンにかかりやすくなる、病気の回復が遅れる等の悪影響が出てきます。

その他、各種ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン、アンドロゲン、副腎皮質ホルモン等)やビタミンD、胆汁酸などの材料として重要な働きをしています。

このようにコレステロールは生きていく上で必要不可欠なもので、数値が低ければいいというものではありません。とはいえ高くなり過ぎると病気の原因にもなりかねないので、適正数値を維持することが大切なのです。

悪玉(LDL)と善玉(HDL)コレステロール

コレステロールにはよく知られている通り、悪玉、善玉の2種類があります。

悪玉コレステロール(LDL)

細胞膜やホルモンを作るためのコレステロールを体内に運ぶ役割をはたしているのがLDLです。このLDLが運ぶコレステロールは悪玉コレステロールと呼ばれています。

ただし、体内に脂質が増えるとコレステロールが過剰になり、血管の中にたまっていきます。この状態を放置すると血管が詰まる動脈硬化などの原因になります。

善玉コレステロール(HDL)

HDLは、血管にたまった余分な悪玉コレステロールを回収し、肝臓へ戻す働きをする成分で、HDLが運ぶコレステロールは善玉コレステロールと呼ばれています。

女性ホルモンのエストロゲンは、善玉コレステロールの生成を促して増やす作用があります。

コレステロールと動脈硬化のかかわり

コレステロールが過剰になると、様々な問題が引き起こされますが、深刻なのは動脈硬化。

血管の弾力が失われて硬くなり、血管の内側の壁に様々な物質がたまり狭くなることで、血液が流れにくくなり、命に関わる脳血管障害(脳卒中、脳梗塞など)の原因となります。

動脈硬化は男女ともに老化現象の一つでもありますが、元々悪玉コレステロールが過剰な人は加速度的に悪化する傾向があります。また、女性は閉経を境に総コレステロール、悪玉コレステロール(LDL)が急激に上昇していきますの注意が必要です。

女性の悪玉コレステロール(LDL)が高い原因

医者に悪玉コレステロールの高さを指摘される女性

では女性の悪玉コレストレロース(LDL)が高い原因についてくわしく見ていきましょう。

更年期~閉経に伴うエストロゲンの減少

女性の悪玉コレステロールが加齢と共に増えやすいもっとも大きな原因が、女性ホルモンの減少です。

女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量は加齢とともに減少していき、閉経を迎える更年期前後になると一気にその量が低下します。

エストロゲンは増えすぎた悪玉コレステロール(LDL)の肝臓への取り込みを進めて減少させ、善玉コレステロール(HDL)を増やす働きがあります

そのため、このエストロゲンの分泌量が減ることで、体内に悪玉コレステロールが増えやすくなるのです。また、肝臓で悪玉コレステロールを取り込むLDL受容体が閉経後に減少することも原因の一つ。

つまり、女性なら誰でも、閉経後は悪玉コレステロールの上昇に注意が必要となるのです。
(ちなみに、男性の場合、総コレステロールも、悪玉(LDL)コレステロールも40~50歳がピークで加齢により減少していきます)。

甘いものが好き

女性に多い甘い物好き。お菓子やファーストフードといった糖分・脂質の多い食べ物や、コレステロールを増やす飽和脂肪酸を豊富に含む肉やチョコレートを多く摂取すると、コレステロールが増えやすくなります。

食べ過ぎや肥満の場合はもちろん、特に太っていなかったり少食だったりする場合でも、摂取する脂質や糖分の割合が多ければ悪玉コレステロールは増えやすいので気をつけましょう。

甘い物好きな女性は閉経後にいっそうの注意が必要となります。

筋肉量が少ない

女性は男性に比べると元々の筋肉量が少なめです。基礎代謝は筋肉量に比例するため、必要以上に脂質を取り込むとエネルギーとして使いきれず、脂肪として蓄積されてしまします。

中性脂肪が増えれば、悪玉コレステロールの増加につながります。特に甘いものやお酒が好きで、なおかつ日常的な運動の習慣がないという人は要注意。

運動不足+加齢で筋肉の減少に拍車がかかるという事態にならないよう、日頃から意識して体を動かしましょう。

女性のコレステロール基準値と年齢による変化

健康診断の結果表

では女性のコレステロール基準値についてはどのように考えられているのかを見ていきましょう。

コレステロール値の基準範囲

男性と比べると、女性のコレステロール値は年齢に左右されやすいため、日本人間ドック学会では以下のように年齢別の基準範囲をを設定しています。

総コレステロール値の基準範囲

  • 30~44歳:145~238mg/dL
  • 45~64歳:163~273mg/dL
  • 65~80歳:175~280mg/dL

LDLコレステロール値の基準範囲

  • 30~44歳:61~152mg/dL
  • 45~64歳:73~183mg/dL
  • 65~80歳:84~190mg/dL

悪玉と善玉の比率が重要

コレステロールは、数値よりも、悪玉と善玉の比率(L/H比)が重要です。

この比率は「LDLの数値÷HDLの数値」で簡単に算出できます。

個別の数値が基準内でも、この比率が高い場合は注意が必要です。

L/H比は1.5以下が理想で、比率が高くなるほどコレステロールが溜まりやすくなっていると考えられます。健康診断の数値で簡単に計算できますので、是非やってみましょう。

コレステロール値異常で疑われる病気

病気の危険性

コレステロール値が基準範囲を超え、L/H比が1.5以上となる等、コレステロール値の異常は放置するとさまざまな病気を引き起こします。

更年期迄は正常値だった女性が、閉経前後に気づいたらコレステロールが異常値になっていたというケースはよくありますので、気をつけましょう。

動脈硬化による狭心症や心筋梗塞

悪玉コレステロール値が高いことで、もっとも心配されるのが動脈硬化です。

血管の中の悪玉コレステロールが増えると血管壁にコレステロールがたまり、血液の通り道を狭くしてしまいます。すると十分な酸素が心筋に届かなくなり、酸欠状態になってしまいます。これが狭心症を引き起こす原因です。

さらに、活性酸素によって傷つけられた血管の修復のために集まった血小板で血栓ができ、この血栓が血管につまると、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こします。

お酒やタバコの摂取が多い男性と比べると女性の罹患率は低めなものの、悪玉コレステロール値やL/H比が高い場合は注意が必要です。

脂質異常症

脂質異常症とは悪玉コレステロール値や中性脂肪が基準値より高い、善玉コレステロールが基準値いより低い状態のこと。その基準値は

  • 悪玉コレステロールが140㎎/dl以上
  • 善玉コレステロールが40㎎/dl以下
  • 中性脂肪の数値が150mg/dl以上

と定められています。

脂質異常症になると、動脈硬化や心筋梗塞を起こす可能性が高まります。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症では、体内の代謝が低下することで悪玉コレステロールの血液濃度が上がりやすくなります。首の腫れやだるさ・むくみといった症状がある場合は、甲状腺の機能が低下している可能性があります。

高いコレステロール値を下げる方法

コレステロールを下げるには運動習慣が大切

では、高いコレステロール値を下げるために、どのような対処をすればいいのかを具体的に見ていきましょう。

コレステロールを下げるバランスのいい食事

まずはコレステロールを上げやすい脂質や糖分の摂取を減らし、食べ過ぎを控えることが大切です。間食や夜食、アルコールのとりすぎにも注意が必要です。

揚げ物はできるだけ控えた方がいいのですが、献立に加える場合は、「衣をできるだけ薄く」「材料を大きめに切る」「小麦粉よりかたくり粉を使う」など、吸油量をできるだけ少なくする調理法の工夫も大切です。

また、緑黄色野菜・豆類・海藻類を積極的に摂るようにしてください。これらの食品に含まれるビタミンやポリフェノールなどの抗酸化物資は、コレステロールを下げるだけでなく、動脈硬化の原因ともなる悪玉コレステロールの酸化を防ぎます。

ちなみに野菜を1日450g程度食べれば、コレステロールが下がるといわれますが、野菜を多く食べれ満腹感も得られるので、食事全体の摂取カロリーも抑えられて一石二鳥です。

サバやイワシなどの青魚に多く含まれるDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸にも、悪玉コレステロールを減らす働きがあります。そして、脂質の吸収を抑えてくれる食物繊維もたっぷり摂りたいですね。

アーモンドは脂質の吸収を抑える食物繊維やミネラルのほか、抗酸化作用の高いビタミンEや悪玉コレステロールを減らすオレイン酸を含むおすすめの食べ物です。

さらに、大豆製品もおすすめ。大豆に含まれる大豆タンパクは血中の余分なコレステロールを減らし、大豆イソフラボンはエストロゲンと似た作用を持っているため、納豆・豆腐・味噌汁・豆乳などを積極的に摂りましょう。

食事のバランスに不安がある方は、簡単に飲める豆乳を毎日の習慣にするのもおすすめです。

参考⇒豆乳の効果や摂取量について

有酸素運動

肥満や筋肉不足は、悪玉コレステロールを増やす大きな原因になりまので、運動習慣は大切です。適度な運動は善玉コレステロールを増やす効果もあります。

おすすめは、酸素を体内に取り入れながら全身を動かす有酸素運動です。

ウォーキング、水泳、エアロビクスなど、軽く息が弾む程度の運動を1回につき30分以上、週に3回以上を目標に無理のないペースで始め、徐々に時間を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

ちなみに、運動は1日150kcalのエネルギー消費を目安に行うと効果的だといわれています。

室内で出来るその場足踏みや踏み台昇降運動などもおすすめです。

また、有酸素運動だけでなく、日頃から速足で歩いたり、階段を使ったり、家事を素早く行うことでも、かなりのエネルギーを消費することができるので、日常生活の中で積極的に動くことを意識してみましょう。

いずれにしても、コレステロールを下げる運動は継続すること大切ですので、無理は禁物、お金をかけずに、いつでもどこでも、ひとりで手軽にできるものを選ぶなど、自分に合った運動習慣を身につけましょう。

こちらも参考に⇒更年期太りの解消法について

<まとめ>

更年期以降の女性は

  • 善玉コレステロールを増やすエストロゲンの激減

によって悪玉コレステロールが急激に上昇する可能性が高まります。

そこに

  • 甘い物、脂肪分の多い食べ物が好き
  • 運動が苦手
  • 筋肉が少ない

といった条件が重なり、ますますコレステロール値が上昇することに。

更年期を迎え閉経が近づいたら、コレステロールを下げる為にもバランスのよい食事や、適度な有酸素運動等を取り入れ、数値が基準値内におさまるよう注意して過ごすことが何よりも大切です。