痔の痛みに耐える女性

痔といえば男性がなるイメージがあるかもしれませんが、実は20代~30代の若い女性でも悩んでいる方が多い症状なんです。

他人に相談しにくい痔の悩み。できれば自分で治したいものですね。

ここでは、女性の痔の原因や改善方法、痔に効果的な市販薬などとご紹介します。

まずはあなたの痔の原因を見極めて、適切に対応していきましょう。

女性に痔が多い原因とは?

イボ痔に悩む女性のイラスト

意外に思われるかもしれませんが、そこには女性ならではの原因が絡んでいるのです。
思い当たることはありませんか?

便秘しやすい

便秘は痔の原因になりやすく、一般的に男性よりも女性のほうが便秘しがちです。

女性は男性と比べると腹筋が弱い上、ダイエットする機会が多く、食事量を減らすことで便意が起きにくいことも原因に。

さらに、便意を我慢する場面が多いことや、朝忙しくゆっくりトイレに入れないといった環境で、毎日決まった時間に排便する習慣がないことも女性が便秘になりやすい一因です。

ホルモンバランスが乱れやすい

女性が便秘がちなのは、ホルモンの影響もあります。生理が近づくと、女性ホルモンのひとつである黄体ホルモンの分泌量が増え、腸のぜん動運動が弱まり、便秘しやすくなります。

生理が始まって便秘が解消すれば問題ないのですが、慢性的に便秘を抱えていると、生理前に更に便秘が酷くなるだけ、生理になっても便秘のままという悪循環に。

冷えやすい

いぼ痔はお尻まわりの血流が悪くなることで起きます。

女性は男性よりも脂肪が多く冷えやすい傾向がありますが、脂肪は一度冷たくなると、なかなか温かくならない性質があります。

この為、デスクワークで座りっぱなし、もしくは立ちっぱなしなど同じ姿勢を続けると、お尻周囲の脂肪が冷え、血流が悪くなってしまうのです。

妊娠・出産がある

妊娠中は、ホルモンバランスがこれまでとは大きく変化する時期です。
また、運動不足や血流が悪くなることで痔を引き起こしやすくなります。

加えて、出産で強くいきむことで肛門に負担がかかり脱肛することがある、産後も不規則な生活リズムから便秘がちになる等、妊娠~産後しばらくは痔になりやすい時期と言えるでしょう。

痔の種類~女性に多いのはどんな痔?

痔の種類のイラスト

痔は大きく3種類に分けられます。

いぼ痔

肛門のまわりの血流が悪くなると、うっ血して膨らんでいぼになるものです。いぼ痔は痔核(じかく)とも言い、肛門の内側にできるものを内痔核、外側にできるものを外痔核と呼びます。

排便時のいきむ時間が長かったり、長時間座りっぱなしだったりするとできやすく、進行すると出血や痛みが出ます。

切れ痔

切れ痔は裂肛(れっこう)とも呼ばれ、便秘で硬くなった便の刺激や、下痢による炎症によってできます。排便時に強い痛みと出血を伴うことが多く、排便後も痛みが続きます。

あな痔

痔ろうとも呼ばれ、肛門のまわりで炎症がおきて膿がたまり、皮膚が腫れたり発熱したりします。あな痔は男性に多く、手術でしか治療できません。

女性に多いのは?

痔のなかでもっとも多いのがいぼ痔で、男女ともできやすいのが特徴です。

次に女性に多いのが切れ痔で、あな痔は男性に多くみられます。

女性特有の原因による痔を改善するには?

適度な運動も血流や便秘の改善に効果的!

では女性が痔を改善するために、取組むべきことは何でしょう。
日常生活で、男性以上に意識した方がいいことをご紹介します。

便秘を改善する

痔の改善には、便秘の解消が近道です。便秘がちな人ほど痔になりやすく、繰り返しがち。
朝起きたら1杯の水を飲んで腸を刺激し、朝食をしっかりと摂りましょう。

水溶性食物繊維や水分を多めにとり、便が硬くならないようにすることも大切です。

便秘を予防・改善する食事とは?

極端な食事制限は便秘の原因になります。
ダイエットはほどほどにし、規則正しく3食食べることを心がけましょう。

便秘の解消には食物繊維が効果的です。わかめやひじきなどの海藻類、ごぼうやにんじんなどの根菜類、えのきだけやしめじなどのきのこ類、豆腐や味噌などの豆類を意識して摂ってみてください。腸の善玉菌を増やすヨーグルトを摂るのもいいですね。

オリゴ糖やサプリメントの活用も即効性が期待できるのでおすすめです。

便意を我慢しない

せっかく便意があっても、我慢してしまうと便秘の原因になります。朝にゆっくりトイレに入る時間がない!という場合は、ゆとりを持った時間配分を心がけてみてください。

正常な硬さのお通じであれば3分以内で済みます。

肛門括約筋を鍛える

肛門括約筋(こうもんかつやくきん)は、スムーズな排便のために必要な筋肉です。この筋肉が弱ると、我慢がきかなくなったり便の切れが悪くなったり、便秘の原因にもなります。

この肛門括約筋を鍛えることで血流がよくなり、排便時に強くいきまずに済んで負担を減らすことができます。つまり便秘やうっ血による痔の予防にもなるのです。

肛門括約筋を鍛えるには、おしりの穴にぐっと力を入れて締めるようにしてから力を抜く、という動作を繰り返し行いましょう。座ったままでも簡単に行えます。

血流をよくする

うっ血の原因となる座りっぱなしや立ちっぱなしを避け、適度に休憩やストレッチを挟むようにしてください。

冷え性の人は腹巻きやカイロ・湿布などを利用して意識しておしり周りを温めてみましょう。

運動

運動不足も便秘や血流が悪くなる原因になります。運動の習慣がない人は、ウォーキングやヨガなど簡単な運動から始めてみましょう。

いつもは電車に乗る道を歩きや自転車に変えてもいいですね。また、腹筋や腸腰筋が弱いとうまく便を押し出せず、便秘の原因に。腹筋運動の習慣をつけるのもおすすめです。

肛門周囲を清潔に保つ

これは女性に限ったことではありませんが、痔の改善には肛門と周囲を清潔に保つことが基本。排便後はウォシュレット(温水洗浄便座)の使用がお勧めです。
トイレットペーパーで拭くと、かえって雑菌を押しつけることになりかねません。

ぬるま湯の弱水流で流し、水分を押さえるように拭き取ります。
ただし洗い過ぎは皮脂を取りすぎ、乾燥を招くので、10秒~20秒程度で。

ウォシュレット(温水洗浄便座)が無い場合は、座浴(洗面器にお湯をはって洗う)、シャワーのお湯で流す、それも無理な場合は市販のハンディタイプの肛門洗浄剤、スポイト式の洗浄器等も活用してください。

女性の痔に効く市販薬の種類

痔の為の市販薬には「塗り薬」「内服薬」があります。

薬Q&A

塗り薬

塗り薬にはストロイド系と非ステロイド系があります。

ステロイドは炎症や腫れを抑える作用がありますが、効果も強い為、注意書に記載の用法用量をきちんと守って使い、長期間継続使用しないことが大切です。

また化膿している切れ痔に使うと免疫力を抑制し、かえって症状を悪化させることがあるので注意が必要です。心配な場合は店頭で薬剤師に相談してみると安心できます。

塗り薬の形状には、軟膏タイプ・注入する軟膏タイプ・坐薬タイプがあります。
痔の出来ている部位や症状、自分が使いやすいものを選ぶといいでしょう。

チューブ軟膏

肛門外側・肛門付近(内側)に直接指で塗るかガーゼに塗り貼って使います。患部が肛門内側の場合は、肛門から5mm以上は内側に塗る必要があります。

注入軟膏

小さい容器に入ったタイプで、肛門内部に注入することも、肛門の外側に塗布することも可能な2ウェイタイプ。

座剤

肛門に挿入して使います。体温で座剤が溶けて、成分が直接患部に作用します。

痔の塗り薬は大手製薬会社から発売されています。テレビコマーシャルで宣伝しているものもあり、いかに痔に悩む人が多いのかがわかります。

ボラギノールA

ボラギノールA塗り薬(注入軟膏・軟膏・座薬)

ステロイド配合のボラギノールAシリーズ(武田薬品工業)。
プレドニゾロン酢酸エステル、リドカイン、アラントイン、ビタミンE酢酸エステルが辛い痔の症状を緩和。軟膏、注入軟膏、座薬があります。

ボラギノールM

ボラギノールM(軟膏・坐薬)

ステロイド非配合のボラギノールMシリーズ(武田薬品工業)。
グリチルレチン酸、リドカイン、アラントイン、ビタミンE酢酸エステルが痔のかゆみや痛みを緩和。軟膏と座薬があります(注入軟膏はありません)。

プリザエース

大正製薬の痔疾治療薬・プリザエースシリーズ

ステロイド配合のプリザエースシリーズ(大正製薬)。痛み、出血の痔ににリドカイン、塩酸テトラヒドロゾリン、ヒドロコルチゾン酢酸エステルなどの有効成分が作用し、症状を鎮めます。軟膏、注入軟膏、座剤、ジェルがあります。

オシリア

小林製薬「オシリア」

ステロイド配合の軟膏(小林製薬)。ヒドロコルチゾン酢酸エステル、ジフェンヒドラミン塩酸塩、リドカイン、イソプロピルメチルフェノール、トコフェロール酢酸エステルが素早く痒み、痛みを鎮めてくれます。軟膏タイプのみ。

メンソレータムリシーナ

メンソレータムリシーナシリーズ(ロート製薬)

ステロイド配合のメンソレータムリシーナシリーズ(ロート製薬)。酢酸ヒドロコルチゾン、リドカイン、アラントイン、酢酸トコフェロールなどの有効成分がつらい痛み、痒みを鎮めます。
女性向けのかわいらしいパッケージも好評です。軟膏、注入軟膏、座剤があります。

ドルマインH

ドルマインHシリーズ(ゼリア新薬工業)

ステロイド配合のドルマインHシリーズ(ゼリア新薬工業)。リドカイン塩酸塩、dl-メチルエフェドリン塩酸塩、ヒドロコルチゾン酢酸エステル、アラントイン等が痛み、出血、はれ、かゆみに効果を発揮。軟膏と座剤があります。

内服薬

便秘がちで痔を繰り返すという場合、出血を抑えたり便通を整えたりする目的で漢方薬を利用してもいいでしょう。

痔の治療によく使われるのは乙字湯(おつじとう)、便秘に効く桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、出血がある場合には槐角丸(かいかくがん)などがありますまた、血流を整える桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)や、冷え性に効く帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)等もあります。また、生薬エキスに有用成分を配合したタイプの内服薬もあります。

痔の内服薬をいくつかご紹介します。

プリザ漢方内服薬

プリザ漢方内服薬(大正製薬)

プリザ漢方内服薬(大正製薬)は漢方処方「乙字湯」エキスの1/2量処方。
便秘改善と患部血行促進で痔を改善していきます。

内服ボラギノールEP

内服ボラギノールEP(武田薬品工業)

内服ボラギノールEP(武田薬品工業)は3種類の生薬(ボタンピエキス・セイヨウトチノキ種子エキス・シコン水製エキス)とビタミンE酢酸エステルを配合した痔疾用内服薬。
直腸肛門部の血液循環改善、痔のつらい症状を鎮める働きがあります。

ピーチラック「乙字湯」

ピーチラック乙字湯

漢方処方の第2類医薬品「ピーチラック乙字湯」は6種類の生薬配合、痔の根本的な解決に体の内側からアプローチします。

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外科治療が必要な場合

塗り薬や内服薬で治らない場合、外科治療が必要です。痔の種類によって治療方法は変わりますが、30分程度の手術時間で日帰りで行えるものも多くあります。

また、保険適用になるか自由診療になるかは、痔の状態によってさまざまです。
まずは肛門科で相談してみましょう。

<まとめ>

痔の辛い症状を抱えながら過ごすのは本当に辛いものです。お医者さんに行く時間が無い、恥ずかしいと一人で悩んでいる人も、まずは痔の原因を見極め、便秘や冷えを解消しつつ塗り薬や飲み薬を試してみてください。

放置しても改善しませんから、早速始めてみてくださいね。